
蔵造りの美しい街並みと、巴波川(うずまがわ)の清流がシンボルである栃木県栃木市。
歴史と自然が調和するこの住みやすい街で、近年、家屋の天井裏や床下に野生動物が侵入する被害が増加しています。
本記事では、栃木市特有の「蔵造りなどの歴史的建造物」「太平山周辺の果樹園」「渡良瀬遊水地などの水辺環境」という地域特性を踏まえ、なぜこの街で被害が多発しているのか、そして建物を守るためにはどのような対策が必要なのかを、建築と害獣防除の専門知識を交えて詳しく解説します。
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1. 栃木市の歴史ある街並みと農地で増える、屋根裏への侵入被害
江戸時代から日光例幣使街道の宿場町として、また巴波川の舟運で栄えた「小江戸」栃木市。
黒塀や見世蔵が立ち並ぶ風情ある街並みは、市民の生活の場であると同時に、大切な観光資源でもあります。しかし現在、こうした古い建物や、豊かな農地周辺の一般住宅において、ハクビシンによる侵入被害の相談が後を絶ちません。
「夜になると、天井裏でドタバタと大きな足音がする」
「大切にしている土蔵の中で、獣のフンのような強い臭いがする」
こうしたトラブルは、野生動物が家屋を「暖かい寝床」として認識し、定着してしまった結果として起こります。ハクビシンは寒さに弱いため、栃木市の冬の冷え込みを避けるように、断熱材の入った民家の屋根裏や、雨風をしのげる蔵の中に好んで入り込みます。
一度家の中に侵入すると、ハクビシンは「ためフン」と呼ばれる、同じ場所に排泄を繰り返す習性を持っています。これにより、天井板にシミができたり、重みで天井が抜け落ちたりといった物理的な被害が発生します。また、糞尿にハエがたかり、ダニやノミが室内へ落ちてくることで、アレルギーなどの健康被害につながることも少なくありません。
私たちは、栃木市の地形や、古い日本家屋の複雑な構造を熟知しています。市販の忌避剤や超音波機器を置くだけでは根本的な解決にはなりません。ハクビシンの侵入を防ぐためには、建物の隙間を物理的に塞ぐ工事が必要です。大切な家屋を傷つけることなく、再発を防ぐための確実な施工をご提案します。
2. 栃木市の地形・家屋構造に合わせたハクビシン駆除・施工事例
事例1:【嘉右衛門町エリア】伝統的な土蔵への侵入と漆喰補強を伴う封鎖

| 施工箇所 | 土蔵の鉢巻(はちまき)・屋根瓦の雀口 |
|---|---|
| 対応エリア | 栃木市嘉右衛門町 |
| 料金 | 165,000円 |
【被害状況:歴史的建造物の構造的弱点】
国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている嘉右衛門町エリア。敷地内に立派な土蔵をお持ちのお客様から、「蔵の2階部分から動物の鳴き声が聞こえる。保管している家財が汚されないか心配だ」とのご依頼を受けました。
栃木市の市街地には多くの蔵が残っていますが、定期的なメンテナンスが難しい場合、壁のひび割れなどが生じ、そこがハクビシンの出入り口になってしまいます。
【施工内容:景観を維持した特殊な穴ふさぎ】
- 侵入経路の特定と燻煙追い出し:
蔵の外壁上部、屋根の下にあたる「鉢巻(はちまき)」の漆喰(しっくい)が経年劣化で崩れ、そこからハクビシンが侵入していました。まずは内部にハクビシン用の燻煙剤(くんえんざい)を充満させ、潜んでいた個体を屋外へ追い出しました。 - 漆喰補修とステンレスメッシュによる補強:
崩れた漆喰をただ塗り直すだけでは、ハクビシンの鋭い爪で再び掘り返されてしまいます。そのため、下地の段階で「SUS304ステンレスメッシュ」を埋め込み、その上から漆喰で仕上げる工法を採用しました。これにより、外観はそのままに強度を大幅に引き上げました。 - 瓦の隙間(雀口)の板金封鎖:
波型の屋根瓦の隙間(雀口)も侵入リスクが高いため、黒色の「板金面戸(めんど)」を一つ一つサイズを合わせて加工し、しっかりと固定しました。 - 清掃と殺菌消毒:
蔵の中の梁(はり)の上にあったフンを取り除き、高濃度の殺菌剤を散布して衛生状態を回復させました。
【プロの視点】
栃木市の蔵造りの建物は、屋根と壁の接合部が複雑です。隣接する母屋や塀から飛び移ることも多いため、建物単体だけでなく、敷地全体の動線を考慮した対策が必要です。
歴史ある土蔵や古い日本家屋は、瓦の隙間(雀口)や漆喰のひび割れなど、思いもよらない場所が侵入ルートになります。ハクビシンが好む意外な侵入経路については、こちらで詳しく解説しています。
▶ ハクビシンが好む環境と侵入経路の特徴
事例2:【大平エリア】ぶどう団地周辺の農家住宅・入母屋屋根の隙間対策

| 施工箇所 | 入母屋破風・下屋根と外壁の取り合い |
|---|---|
| 対応エリア | 栃木市大平町 |
| 料金 | 132,000円 |
【被害状況:果樹園周辺でのエサ場と寝床のセット化】
太平山の南麓に広がる「大平町ぶどう団地」周辺。ブドウ栽培を営む農家様から、「畑の被害もさることながら、母屋の天井裏で毎晩大きな足音がして眠れない」とのご相談がありました。
糖度の高いブドウを食べて栄養状態が良くなったハクビシンは、繁殖力が強くなります。そして秋から冬にかけて、寒さをしのぐために暖かい民家の屋根裏へと移動してきます。
【施工内容:複雑な屋根形状への板金加工】
- 入母屋破風(いりもやはふ)の封鎖:
立派な入母屋造りの屋根にある三角形の空間(破風)。この装飾板の裏側に隙間があり、ハクビシンの侵入口となっていました。通気性を確保する必要があるため、アルミ製の「パンチングメタル(穴あき金属板)」を隙間の形に合わせてカットし、ビスで強固に固定しました。 - 取り合い部(雨押さえ)の隙間埋め:
1階の屋根(下屋)と2階の外壁が交わる部分(取り合い)の板金が浮き上がっており、ハクビシンが1階の屋根を歩いてそこから壁の中へ潜り込んでいました。現場で「ガルバリウム鋼板」を折り曲げて加工し、隙間を完全にカバーしました。 - 断熱材の撤去と消毒:
天井裏の断熱材がハクビシンの寝床として引きちぎられ、糞尿で汚染されていました。汚れた断熱材を撤去して廃棄し、ダニの繁殖を防ぐために殺虫剤を散布しました。
【プロの視点】
大平エリアのように果樹園が近い場所では、ハクビシンが周辺に常に生息している前提で対策をしなければなりません。物理的な封鎖工事が唯一の対抗手段となります。
事例3:【藤岡エリア】渡良瀬遊水地周辺の水辺・床下の防湿と換気口の要塞化

| 施工箇所 | 床下換気口・基礎貫通部 |
|---|---|
| 対応エリア | 栃木市藤岡町 |
| 料金 | 110,000円 |
【被害状況:水辺環境における床下への侵入】
渡良瀬遊水地にほど近い藤岡エリア。ヨシ原などの湿地帯はハクビシンやアライグマの格好の隠れ家です。
「部屋の中がかび臭く、床下から獣の臭いとゴソゴソという音が上がってくる」とのお客様。水はけが悪い土地柄もあり、床下の環境が悪化していることが懸念されました。
【施工内容:通気性の確保と動物の侵入防止】
調査ロボットを床下に入れると、ハクビシンが持ち込んだ泥やフンが散乱していました。
- 床下換気口のステンレスメッシュ化:
築年数が経過した住宅に見られる、鋳物(いもの)の換気口は格子が広く、ハクビシンが容易に通り抜けられます。これを撤去し、サビに強い「SUS304ステンレス製エキスパンドメタル」を、コンクリート用のアンカーボルトで基礎にしっかりと打ち込みました。 - 基礎パッキンの隙間対策:
増築部分の基礎と土台の間(基礎パッキン)に、ハクビシンが入れるほどの隙間がありました。ここに専用の「防鼠(ぼうそ)ブラシ」と金網を挿入し、風通しは保ったまま動物の侵入を阻止しました。 - 土壌の調湿と殺菌:
床下が湿気でジメジメしており、フンにカビが生えていました。清掃後、調湿効果のある「ゼオライト(沸石)」を床下全体に散布し、同時に殺菌消毒を行って嫌な臭いを消し去りました。
【プロの視点】
藤岡エリアのような水辺が近い場所では、ハクビシンだけでなくアライグマも活動しています。力が強いアライグマにも破壊されないよう、床下換気口の金網は特に頑丈なものを使用する必要があります。
渡良瀬遊水地周辺のような水辺環境では、ハクビシンだけでなく特定外来生物「アライグマ」の被害も増加しています。それぞれの特徴や被害の違いを知りたい方は、こちらの比較記事が役立ちます。
▶ ハクビシンとアライグマ、それぞれの特性と違いを徹底紹介
事例4:【栃木駅周辺】市街地の住宅・雨どいからの登攀(とうはん)防止

| 施工箇所 | 雨どい縦管・軒天換気口 |
|---|---|
| 対応エリア | 栃木市境町 |
| 料金 | 77,000円 |
【被害状況:市街地での高所侵入】
栃木駅周辺の区画整理された住宅街。築10年程度の比較的新しい住宅にお住まいのお客様から、「2階のベランダ付近の屋根裏から、爪で引っかくような音が聞こえる」とのご相談がありました。
市街地であっても、ハクビシンは側溝などを伝って移動し、電線や雨どいを利用して家屋の2階へと登ります。
【施工内容:よじ登りを防ぎ、換気口を守る】
- 雨どいへの「忍び返し」設置:
ハクビシンは、壁に固定された雨どいのパイプ(縦管)を両手足で抱え込むようにして登ります。これを防ぐため、パイプの中腹に鋭いトゲのついた「忍び返しリング」を取り付け、物理的に登れないようにしました。 - 軒天(のきてん)の有孔ボード補強:
屋根の裏側にあたる軒下の換気口(有孔ボード)が、下からハクビシンに押し破られていました。プラスチック製のボードは劣化すると脆くなります。既存のボードの上から、強度の高い「ステンレスパンチングメタル」を重ね張り(オーバーレイ工法)し、ビスで頑丈に固定しました。 - 忌避剤の設置:
屋根の上やベランダの下に、ハクビシンが嫌がる唐辛子成分などを配合した固形忌避剤を設置し、建物に近づかせない環境を作りました。
【プロの視点】
市街地のハクビシンは人慣れしており、非常に大胆です。庭の木が屋根に近すぎる場合は、ハクビシンの足場になるため、枝を切り落として建物から離す工夫も必要です。
3. 栃木市のお客様から寄せられた解決後の感想
「歴史ある蔵を守ることができました」
栃木市嘉右衛門町在住 S.O様(60代・自営業)
「代々大切にしてきた土蔵の中から、嫌な臭いがするようになり困っていました。ハクビシンの仕業だとわかった時は、蔵の壁が壊されるのではないかと不安でしたが、こちらの業者さんは蔵の構造をよく理解しており、外観を損なわないようにきれいにメッシュを埋め込んでくれました。掃除と消毒も丁寧にしていただき、臭いもなくなりました。栃木市の歴史ある建物を守っていただき、感謝しています。」
「ぶどう畑の近くでも、もう足音に悩まされません」
栃木市大平町在住 K.T様(50代・農業)
「大平のぶどう団地の近くに住んでいるため、秋になるとハクビシンが畑に現れます。それは仕方ないと思っていましたが、母屋の天井裏に入られてからは夜も眠れませんでした。業者の方に屋根の上の隙間の写真を見せてもらい、こんなところから入るのかと驚きました。板金でしっかりと塞いでもらってからは、あの足音がピタリと止まりました。これで安心して生活できます。」
「床下のカビ臭さまで解決してくれました」
栃木市藤岡町在住 M.A様(40代・会社員)
「家の中が湿っぽくて獣臭いのが悩みでした。調査をしてもらったら、床下の換気口の隙間からハクビシンが出入りしているとのこと。換気口を丈夫なステンレスの網に変えてもらい、さらに床下に湿気を吸う石(ゼオライト)を撒いてくれました。ハクビシンがいなくなっただけでなく、長年の悩みだったカビ臭さも消えて、本当に頼んでよかったです。」
4. 栃木市のハクビシン対策における行政支援(箱わな貸出等)と業者の役割
ハクビシンによる被害に遭った場合、市役所に相談すればすべて対応してもらえるのでしょうか。栃木市の行政サービスの内容と、ご自身で行うべき対策の境界線を正しく理解しておくことが大切です。
【栃木市の鳥獣被害対策支援】
栃木市(農林整備課 獣害対策係)では、市民が被害を受けている場合、以下の支援を行っています。
| 支援項目 | 内容・条件 | 詳細 |
|---|---|---|
| 小型箱わなの貸出 | 無料 | ハクビシンやアライグマの被害がある場合、最長2カ月間、小型箱わなを無料で貸し出しています(原則1人1個)。 |
| 購入補助金 | 一部補助 | 自分でわななどを購入する場合、「獣害対策設備設置費補助金」を活用できる可能性があります(要事前相談)。 |
| 許可申請 | 必須 | ハクビシンを捕獲するには、事前に市へ「鳥獣捕獲許可申請」を行う必要があります。無許可での捕獲は法律違反となります。 |
※以前実施されていた、止め刺し(処分)に対する報償金(1頭1,000円)の制度は、令和7年(2025年)3月31日をもって終了しています。
【行政支援の限界と、専門業者への依頼が必要な理由】
市の支援は、あくまで「ハクビシンをわなで捕まえること」に対するサポートです。
以下の作業は、行政では対応していません。
- 屋根裏や床下に入り、溜まったフンを掃除する作業
- 汚れた断熱材の撤去と、ダニやノミの殺菌・殺虫消毒
- 再び入られないように、屋根の隙間や床下の穴を塞ぐ工事(大工・板金作業)
ハクビシン対策で最も重要なのは、「わなで一匹捕まえること」ではなく、「家の隙間を塞ぎ、二度と入れない状態にすること」です。
穴が開いたままであれば、捕獲したとしても、数日後には別のハクビシンが匂いを嗅ぎつけて再び侵入してきます。建物の資産価値を守り、衛生的な環境を取り戻すためには、建物の修繕技術を持ったペストコントロール(有害生物防除)の専門業者へ依頼することが、最も確実な解決への道となります。
お問い合わせ先(参考):
- 栃木市 農林整備課 獣害対策係
- 電話:0282-21-2289
※制度の詳細は変更される場合があります。最新情報は栃木市公式ホームページ等でご確認ください。
自治体の対応範囲には法律上の制約があり、多くの場合「捕獲器の貸出のみ」に留まります。市役所の対応内容と、民間業者との役割の違いについて、さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
▶ ハクビシン駆除の市役所対応を利用した安心の駆除手順
5. 栃木市の地域特性:なぜ「小江戸」がハクビシンの生活圏になるのか
巴波川沿いの蔵の街並みから、太平山の山林、そして渡良瀬遊水地の広大な湿地まで、多様な環境を持つ栃木市。
なぜこの街でハクビシンの被害が多く発生するのでしょうか。その理由は、栃木市の「地形」「農業」「歴史的建造物」の3つの特徴が、ハクビシンの生態に非常に適しているためです。
① 「山林」と「水辺」をつなぐ移動ルート
栃木市は、大平山や三毳山(みかもやま)といった山林地帯と、巴波川や思川(おもいがわ)、渡良瀬遊水地といった水辺の環境が豊富です。
ハクビシンは、水辺のヨシ原や背の高い草むらを身を隠す場所として利用し、川沿いの土手や斜面にある木々を伝って、住宅地や農地へと移動してきます。特に、渡良瀬遊水地に近い藤岡エリアや、山の麓にある大平エリアは、ハクビシンにとってエサ場と隠れ家を簡単に行き来できる、都合の良い環境が整っています。
② 特産品の「ブドウ」や「イチゴ」がエサになる
栃木市は農業が盛んで、「とちおとめ」や「スカイベリー」などのイチゴ栽培や、大平町ぶどう団地でのブドウ栽培が有名です。
ハクビシンは甘い果実を非常に好みます。果樹園や畑の作物は、彼らにとって栄養価の高いエサ場となります。また、一般の家庭の庭に植えられている柿やビワ、放置された家庭菜園の野菜くずなども狙われます。
秋の収穫期に栄養をたっぷり蓄えたハクビシンは、繁殖力が上がり、その近くにある暖かい民家を住処(すみか)として選んでしまうのです。農地と住宅が近い栃木市ならではの被害パターンと言えます。
③ 「蔵造り」や「古い日本家屋」の構造的な隙間
栃木市の中心部である嘉右衛門町などに残る蔵造りの建物や、昔ながらの立派な日本家屋。これらの建物は風情があり美しいですが、築年数が経過すると、漆喰のひび割れや、木材の乾燥による隙間が生じやすくなります。
ハクビシンは、頭さえ入ればわずかな隙間(直径9センチ程度)からでも侵入できます。特に、瓦屋根の波型の隙間(雀口)や、床下の換気口は、彼らの格好の出入り口になります。また、蔵の中は気密性が高いため、一度侵入されると外の寒さをしのぐための最適な寝床になってしまいます。
空き家となった建物が適切に管理されていない場合、そこがハクビシンの繁殖場所となり、周囲の家屋へ被害が拡大することもあります。
栃木市の歴史ある美しい街並みと、豊かな自然の恵み。これらは市民の大切な財産ですが、同時に野生動物との距離が近くなる原因でもあります。
ハクビシンは非常に賢く、一度安全な場所だと学習すると、何度追い出しても戻ってこようとします。被害を防ぐには、物理的に穴を塞ぐしかありません。
栃木市の地形、農業の環境、そして古い建物の構造を知り尽くした私たちが、確かな技術であなたの大切な家をハクビシンの侵入から守ります。
天井のシミや足音など、少しでも異変に気づいたら、被害が大きくなる前に、お見積もり無料の専門スタッフまでご相談ください。



