土浦市街地・中古リフォーム住宅における「壁内部の縦断ルート」
現場:茨城県土浦市(土浦駅に近い再開発エリア)
ご依頼主:30代ご夫婦
【建物構造:木造2階建て(中古購入後、フルリフォーム実施)】
今回の現場は、土浦駅に近い再開発が進む住宅街にある木造2階建て住宅です。30代のご夫婦が中古住宅を購入し、フルリフォームをして入居されたばかりでした。しかし、「入居してすぐに、壁の中からガサガサという音がし、1階のキッチン周りで異臭がする」という、新生活を脅かす深刻な相談でした。
一見するとリフォーム直後で外壁も内装も非常に綺麗でしたが、我々が注目したのは「見えない場所」です。土浦市街地では、ハクビシンが電線を伝って移動したり、隣家との僅かな隙間を隠れ蓑にして行動したりします。調査の結果、リフォーム時に新設されたエアコンの配管スリーブ(穴)と、外壁材の取り合い部分に、握り拳一つ分ほどの隙間が放置されているのを発見しました。配管カバーに隠れて、一般の方には絶対に見えない場所です。
侵入経路の特定:壁の「通気層」を階段にする能力
ハクビシンは、この配管カバーを足場にして登り、壁の内部へと侵入していました。現代の住宅は「通気工法」といって外壁と構造体の間に僅かな隙間がありますが、ハクビシンはこの狭いスペースに体をねじ込み、断熱材を爪に引っ掛けて1階から2階へと垂直に登り降りしていたのです。
キッチンの壁の中から聞こえていた「ガサガサ音」の正体は、ハクビシンが移動するたびに断熱材が破れる音でした。さらに、キッチン横の床下点検口から調査を行うと、基礎部分にも侵入口が見つかりました。リフォームの際、配管を通すために基礎を大きく抜いた箇所の隙間が未処理のままだったのです。ここがハクビシンにとっての「床下入り口」になっていました。
被害状況:断熱欠損と衛生リスクの拡大
壁内部の断熱材は、ハクビシンの移動によってズタズタに引き裂かれ、床付近に脱落していました。これにより、住宅の断熱性能が著しく低下し、特定の壁面だけ結露が発生し始めていました。ハクビシンがもたらす害は、騒音や悪臭だけではありません。建物の機能そのものを破壊していくのです。
また、1階と2階の間の天井裏には、やはり溜め糞が確認されました。キッチンの真上に排泄されていたため、その匂いが換気扇のダクトなどを通って室内に漏れ出していました。ご夫婦は「せっかくリフォームしたのに、これでは住めない」と大変ショックを受けておられましたが、原因が特定されたことで解決の道筋が見えました。
施工工程(1):壁内部の「追い出し」と殺菌処理
壁の中に潜んでいる個体を追い出すため、刺激の少ないタイプの「忌避スプレー」と「燻煙剤」を併用しました。急激に煙を焚きすぎると、壁の中でハクビシンが身動きが取れなくなる恐れがあるため、時間をかけてじわじわと外へ誘導します。
個体がいなくなったのを確認後、ロングノズルの噴霧器を使用し、壁内部に高濃度の殺菌剤を散布しました。ハクビシンが持ち込んだダニや病原菌を死滅させるため、届かない場所がないよう細心の注意を払います。その後、引き裂かれた断熱材を可能な範囲で修復・補填し、消臭処理を行いました。
施工工程(2):基礎貫通部と配管まわりの「鉄壁封鎖」
再発防止の要となる封鎖工事です。
まず、原因となったエアコン配管スリーブの隙間には、ハクビシンが齧りつくのを防止する成分が含まれた「防獣用パテ」を充填し、その上から「ステンレスネット」で二重にカバー。配管カバー自体もビス止めを強化しました。
次に、床下の基礎貫通部です。ここは配管の振動や揺れを考慮しつつ塞ぐ必要があるため、柔軟性のある「ステンレスワイヤーメッシュ」を加工して設置し、その上から「防護用ウレタンフォーム」で密閉。これにより、ネズミ一匹通さない気密性と、ハクビシンの物理的な破壊への耐性を両立させました。
【現場作業員からの総括】
土浦市において事実に基づいた正確な調査を行い、二度と入らせないための徹底した防除作業を進めます。中古住宅のリフォームは外見を整えることに主眼が置かれがちですが、ハクビシン対策という観点では「隙間の処理」が最も重要になります。
お客様には施工前後の写真をお見せしながら、どの隙間がどう塞がれたかを詳しく解説しました。「自分たちでは絶対に気づけなかった」と仰っていただき、実務的な解決を提供できた現場でした。最新の住宅であっても、ハクビシンの能力を侮ってはいけません。


