市内・築45年木造住宅におけるハクビシン完全防除


現場:栃木県宇都宮市北西部(宝木・長岡エリア周辺)


ご依頼主:60代男性(定年退職後、奥様と二人暮らし)

【建物構造:木造2階建て・一部大谷石積み基礎】

今回の現場は、宇都宮市でも古くからの住宅地にある木造住宅です。ご依頼主からは「1ヶ月ほど前から1階和室の天井裏で、夜な夜な何かが歩き回る音がする。最近は異臭もしてきた」との連絡を受けました。

ハクビシン駆除宇都宮市最新施工事例

初動調査と大谷石基礎の隙間特定

現場に到着し、まず外周の徹底調査から開始しました。宇都宮市内、特に北西部から大谷エリアにかけては基礎や塀に大谷石を使用している住宅が多く、この現場も基礎の一部が大谷石積みとなっていました。調査の結果、長年の風化により大谷石の目地(継ぎ目)が痩せて約10cmほどの隙間が生じている箇所を発見。そこにはハクビシンの足跡と、体毛が付着していました。ハクビシンは頭さえ入れば8cm程度の隙間を通り抜けるため、ここがメインの侵入口であると断定しました。

次に、雨樋(縦樋)の支持金具を確認すると、泥のついた足跡が点々と残っていました。ハクビシンは垂直移動が得意で、雨樋を足場にして2階の軒天(のきてん)まで登ります。確認したところ、軒天と外壁の取り合い部分に数センチの隙間があり、そこも補助的な侵入口として利用されていました。

和室天井裏の深刻な汚染状況

和室の押し入れにある点検口から天井裏の内部調査を行いました。ライトを照射すると、断熱材(グラスウール)が広範囲にわたって引き裂かれ、ハクビシンの習性である「溜め糞(ためふん)」を確認しました。
溜め糞は、特定の場所に排泄を繰り返す習性のことで、今回の現場では約50cm四方の範囲に糞尿が山積みになっていました。尿が断熱材を通り越し、天井板まで浸透して茶色いシミを作っていたため、これが異臭の主原因です。また、糞の周囲にはハクビシンに寄生するイエダニやノミが多数確認され、放置すれば室内へダニが落下し、住人に健康被害(刺咬被害)が出る恐れがある非常に不衛生な状態でした。

確実な追い出しと初期処理

ハクビシンが建物内に潜んでいる状態で封鎖を行うと、中で餓死し、死臭の発生やウジの湧出といった二次被害を招きます。そのため、まずは燻煙剤(くんえんざい)による追い出し作業から着手しました。
ハクビシンが嫌うカプサイシンや木酢液の成分を配合した薬剤を天井裏に充満させ、屋根裏の隅々にまで行き渡らせます。同時に、侵入口以外の隙間を仮封鎖し、逃げ道を一つに絞ります。数日間のモニタリングを行い、暗視カメラとセンサーで個体が外部へ脱出したことを確認しました。この際、宇都宮の冬場の冷え込みを考慮し、個体が暖を求めて戻ってこないよう、忌避効果の持続時間が長いゲル状の忌避剤を天井裏の要所に配置しました。

天井裏の徹底清掃と殺菌・消臭

個体の脱出を確認後、最も過酷な作業である天井裏の清掃に入ります。
汚染された断熱材はすべて撤去し、専用の回収袋に密閉して搬出しました。溜め糞の塊はスコップとヘラを使い、天井板を傷めないよう慎重に除去。その後、高濃度の次亜塩素酸ナトリウムを用いた殺菌処理を行い、動物特有の雑菌や寄生虫を死滅させます。
消臭に関しては、アンモニア臭を中和する専用の消臭剤を噴霧器で散布し、さらにオゾン発生器を24時間稼働させて「脱臭」を徹底しました。ハクビシンは自分の匂いが残っている場所に執着するため、この消臭作業の精度が再発防止に直結します。

大谷石基礎と屋根周りの完全封鎖

清掃完了後、物理的な遮断工事に移ります。
まず、基礎の大谷石の隙間には、錆に強く耐久性の高いSUS304規格のステンレス製パンチングメタルを加工して取り付けました。石の表面は凹凸があるため、コンクリートビスと、防獣成分(カプサイシン等)が含まれた「防鼠・防獣用シリコンシーリング」を併用し、ミリ単位の隙間も作らずに密閉しました。
2階の軒天および屋根の隙間(瓦座など)も同様に、パンチングメタルとステンレスネットを使い分けて封鎖。木製の部材を齧って穴を広げる個体も多いため、補強が必要な箇所には板金加工を施しました。さらに、ハクビシンが足場にしていた雨樋の支持金具付近には、滑りやすい「防護用スプレー」を塗布し、物理的に登りにくい環境を整えました。

環境的防除のアドバイスとプロの視点

すべての施工を終えた後、ご依頼主には今回の侵入要因を論理的に解説しました。このお宅の庭には大きな柿の木があり、その枝が屋根のすぐ近くまで伸びていました。ハクビシンにとって、柿は好物であると同時に、屋根への絶好の「橋」となります。施工後も再発のリスクを最小限にするため、枝の剪定を強く推奨しました。また、家の周りに餌となるものを放置しないよう、管理面でのアドバイスを行いました。

ハクビシン駆除において、大谷石のような特殊な建材の特性を見極め、見落としがちな数センチの隙間をすべて特定し、二度と入らせない耐久施工を行うのが、私たちプロの役割です。今回の現場では、リフォーム時や経年劣化で見落とされていた基礎の不備が最大の原因でした。宇都宮という土地柄、古い木造建築や大谷石造りの建物は多いですが、それ相応の対策を講じれば、必ず防除は可能です。

宇都宮市ハクビシン駆除